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2022年ソーシャルメディアマーケティングトレンド in インド

Contents

さまざまな要因がインドのSNSマーケティングを後押し

インドにおけるSNSマーケティングの重要性が高まる背景にはさまざまな要因がありますが、インドの特徴としては以下が挙げられます。

そして、このモバイルユーザーは現在も年率6%で増加しています。その背景には、

  • スマートフォンの価格低下
  • ユーザー層の所得が上昇
  • ネットインフラ環境の改善
  • Amazonなどのプラットフォームの配送エリアが拡大

など様々な要因が挙げられ、これまでスマートフォンに手が届かなかった貧困層や中間所得層、農村部の人々へとユーザー層が拡大しています。

インドの人口ピラミッドを牽引するデジタル・ネイティブである若年層(インドの人口平均年齢は28.4歳)はソーシャルリスニングによる情報収集や共有を好みます。また総人口の8割以上を締める個人事業主は、ソーシャルメディアを駆使したD2Cマーケティングを実施するなど、ソーシャルメディアが活況となる特有の背景が多く存在します

 

B2Cだけでなく、B2BビジネスでもSNSマーケティングが主流に

このような外部環境の変化で、インドにおけるソーシャルマーケティングの重要性は、B2CだけでなくB2Bビジネスでも高まっています。

インドではソーシャルメディアから情報を共有する人の87%が、その真実性を信頼しており(世界平均の4分の3を上回るインドの多くの企業がソーシャルメディアを活用し、デジタル上のブランド認知拡大、見込み客の獲得、商談機会創出による売上の拡大に積極的です。

ここからは、インドのデジタルマーケティングトレンドを理解いただくために、それぞれのサービスの概要と、効果的な活用方法についてご紹介していきます。

特に、WhatsAppとLinkedinのユーザー数や活用方法には日印間で大きな違いがみられるため、詳しくご紹介していきます。

 

インドのソーシャルメディア別概要と活用トレンド

インドのソーシャルメディアマーケティングでよく使われているサービスには、Instagram、Youtube、Facebook、Twitter、WhatsApp、Linkedinが挙げられます。Tiktokは2021年に中国アプリが使用禁止となり公式には使用が禁止されています。

世界トップのユーザー数を抱えるFacebookのユーザー増加率がやや落ち着きをみせる

インドで初めてローンチされたソーシャルメディアがFacebookで、インド上陸の2006年当時は18~24歳のデジタルに明るい若年層から浸透しました。友人とのコミュニケーションツールや近況報告の場として使われ、ユーザーは年代にも拡大、2022年時点で世界最多を誇ります。

ビジネスにおいては、消費者向けのB2Cビジネスで主に活用されています。

しかしながら、その後 WhatsApp や Instagram が上陸したことで、現在はアクティブユーザーは停滞傾向にあります。

サービスの安全性に対しても不安視される声も出ており、Facebookがソーシャルメディアマーケティングにおいてどのようなポジショニングとなっていくかウォッチしていく必要があります。

ユーザー数

3億2,900万人(2022年時点で世界最多)

ユーザー層
  • インターネットにアクセスでき、モバイルを所有する層全般
  • 日本のユーザーが18歳から54歳まで幅広く分布しているのと比較すると、インドでは若年層がメインのユーザー(18歳〜24歳が35%、25~34歳が35%)
  • 日本のユーザーが女性56.2%、男性43.8%とほぼ均等である一方で、インドでは女性22.2%、男性77.8%と偏りが見られる


引用:NapoleonCat.com

年間45%で新規チャネルが増加、Youtubeは動画コンテンツを好むインドで急成長

インドには10万人以上の登録者を持つYouTubeチャンネルが4万以上あり、年間45%で新規チャンネル数が増加しています。

B2Bでは、インタビュー動画やユーザーの声、ブランドの制品・サービス紹介動画などにも積極的に活用されています。B2Cでは、レシピ動画などのハウツー動画や、子供向け教育動画などのコンテンツがYoutubeを通して配信され、インフルエンサーにも多く使われているソーシャルメディアです。

STORYTELLINGで過去実施したYoutubeを使用した広告では、ローカル言語を使用したこともあり業界平均を大きく超えたクリック数で成果を出しました。

ユーザー数

4億6,700万人(2022年時点で世界最多)

ユーザー層
  • 低所得層から富裕層と幅広
  • 特に郊外に住む、情報へのリーチが難しい層
  • 特に郊外に住む、情報へのリーチが難しい層
  • 100万人以上の登録者を持つタミル語チャンネルは現在94チャンネル(2018年の30チャンネルから増加)
  • 10万人から100万人の登録者を持つタミル語チャンネルは1,250チャンネル
  • 60のテルグ語チャンネル、35のベンガル語チャンネル、15のマラヤーラム語チャンネルが2019年に100万人の大台を突破
 

50%ユーザーが商品購入体験あり、Instagramは購買意欲を高める主要チャネル

インスタグラムを利用する人の50%以上が、フォローしているブランドのアカウントから商品やサービスを購入した経験があるというデータが出ています。

ECプラットフォームとしても機能しているほか、トレンドの情報収集だけでなく友人とのチャット機能としても利用されています。近年は拡散力の高いリール機能を活用し、多くのB2C企業がブランド認知を向上させています。

ユーザー数

2億3,000万人(世界最多)

ユーザー層
  • 女性28.6%、男性71.4%
  • 18~24歳が全体の4割、25歳〜34歳が3割を占める

引用:NapoleonCat.com

じわじわと浸透が進むTwitterは、今後ウォッチしておくべきチャネル

ツイッターを利用するインド人の16%がニュース閲覧、11%は友人とのコミュニケーション、そして10%が他アカウントからの情報収集のために利用しています。

こういった背景から、インド系メディアや企業の広報担当者は情報をTwitter上に拡散させている傾向にあり、B2Bビジネスでも活用されています。

徐々にユーザー数は増加傾向にありますが、日本に比較すればその浸透率は非常に低いと言えます。一方で、トップビジネスマンが啓蒙活動の場として活用し始めていることから、今後インドでもポピュラーなソーシャルメディアの一つに成長していくと予想されます。

ユーザー数

2,300万人(米国、日本についで世界第三位)

ユーザー層

一般ユーザーの他には、メディア、経営者、グローバルで活躍しているビジネスマンなど

LINEの代替SNS、WhatsAppの開封率、コンバージョン率がすごい

ここからは、日本とユーザー率や使用用途が大きくことなるインドにおける、WhatsAppとLinkedinについて詳しくご紹介していきます。

日本におけるLINEの代替プラットフォームであるWhatsAppとは、電話番号に紐付くWhatsAppアカウント間でチャットと通話のコミュニケーションが可能なソーシャルメディアです。インドで最も利用されているメッセージプラットフォームはWhatsAppで、インターネットユーザーの約8割が利用しています。

一般には、Line同様インスタントメッセージと呼ばれる、日常のリアルタイムで簡単なコミュニケーションツールとして使われています。

企業アカウントと消費者顧客がクイックにやりとりができるため、Eコマース、D2Cが活況のインドでは主要なソーシャルメディアプラットフォームとして成長しています。WhatsAppメッセージの80%は5分以内に開封されると言われていることから、メールマーケティングの代替にもなり得ています。

WhatsAppビジネスアカウントは無料で始められるため、導入の障壁が低いのも魅力的です。顧客によって送信するメッセージをカスタマイズすることも可能なので、ブランドが理想とする顧客コミュニケーションを自社でデザインできます。WhatsAppマーケティングにより収益の18%を創出したインドスタートアップ企業も存在し、戦略的に購買につなげるソーシャルメディアとして活用されています。

D2C、B2Cなどのコンシューマーサービスには欠かせないパーソナライズコミュニケーションツールです。

ユーザー数

5億3,400万人

ユーザー層
  • 低所得層から富裕層まで幅広
  • 低所得層の24%、上位中間層の45%がWhatsAppのアクティブユーザー(2017年時点)

 

B2Bマーケティングで盛り上がりを見せるビジネス特化型ソーシャルメディアLinkedIn

日本では、認知度の低いLinkdInですが、グローバルでは年率24%でユーザー数が増加しているソーシャルメディアです。

企業アカウントを用いて、業種や職務の垣根を超えたネットワークの構築・サービスプロモーション・広報活動・人材採用といった、デジタル上での認知度(ブランドアウェアネス)、リード獲得に活用されています。

インドは転職市場が盛んであり、Linkedinを転職プラットフォームとして利用しているユーザーが数多くいます。それに伴い、Linkedinへの訪問頻度も高いことが予想されるため、効率よくターゲットに情報を届けることができます。こういった背景から、ビジネスマン向けの情報収集プラットフォームとして役割を広げています。

Linkedinのユーザー層は購買力の高い意思決定層が多く、意思決定者層へアプローチすることで商談への工数削減が見込める点が魅力の一つです。ユーザーが、正確な属性登録をしていることから職務・学歴・職務に対して正確なターゲティングができ、B2Bビジネスに特化したソーシャルメディアマーケティングとして活用されています。

ユーザー数

7,000万人以上が利用し、その数は日本の33倍に相当(世界第二位)

ユーザー層
  • 企業に所属する意思決定者層や従業員・経営者
  • 転職を検討している若年層(25~34歳)

引用:NapoleonCat.c

サマリ

インドで勢いよく成長するB2B企業の多くが、デジタルマーケティングを認知度向上、リード獲得のためのブランディングやマーケティング戦略の一つの施策として、ソーシャルメディアマーケティングに注力しています。

トレンドを理解した上で、市場に合わせて適切なプラットフォームを選択し、アクティブに運用することが必要です。また、インド現地のターゲットのインサイトや目的別チャネルを理解した上で、カスタマージャーニーマップを設計し、的確なソーシャルメディアを活用したデジタルマーケティングで、、着実に売上につなげていくことが可能です。

2019年、獨協大学経済学部卒業。在学中、チュラロンコン大学に一年間留学しタイ語を習得。タイの動画制作会社と農業ベンチャーでインターンシップを経て、株式会社日本農業に入社。海外営業部に所属し、駐在中は事務所の立ち上げ、営業・マーケティングを担当。2022年1月からインドに移住し、同年6月にSTORYTELLING LLPにGMとして入社。日本語、タイ語、英語話者。

言語、国、文化、リアルとデジタルに起きている障壁を、調和・融合へ変化させるための、特性理解(リサーチ)を得意とする。日本とインドに留まらず、個がもつそれぞれの価値を繋ぎ、よりよいバリューチェーンを生み出す。チェーンに関わるステークホルダー全ての幸せを願う。

 

 

2019年に設立されたStorytelling LLPは、インドグルガオンを本社に置く日系企業です。企業様のビジネスにおける強みを理解し、それぞれのユニークなストーリーを世に送り出すことをミッションとしています。現地における市場調査をもとに、カスタマイズされたデジタルブランディング、デジタルマーケティング戦略を通じて、企業の持続的な成長を支援します。