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インドビジネス特化型SNS、LinkedInの成功事例

Contents

インドのB2Bビジネスに欠かせない存在となっているSNS、LinkedIn。

日本では、まだまだ馴染みのないLinkedInですが、グローバルに活躍する日系企業の中には高い評価を受けている事例もあります。

ここでは、LinkedInが成功事例として評価している日系企業一社と、インド企業一社を具体的な施策とともにご紹介します。

富士電機(Fuji Electric)の事例

半導体や発電プラントなどを取り扱う日系大手電機メーカーの富士電機は、2021年にLinkedInにグローバルアカウントを立ち上げ(Fuji Electric India は2014年から利用)、ブランド認知度を向上させることに成功しました。

フィードへのオーガニック投稿とペイド投稿の統合戦略を用いて、成果を上げています。B2B企業をターゲットに情報発信し、ブランド認知度の向上によって自社製品である自動販売機の販売活動の促進にも繋がりました。

成果|プロダクト理解が21%向上

LinkedInのレポートによると、富士電機のフォロワーはオーガニック投稿をとおして、非フォロワーと比較して、プロダクトへの理解度が21%高いという調査結果があります。

リード(見込み客)獲得キャンペーンでは、先行指標となる以下の数字が向上しました。

  • リード獲得フォーム入力完了率 1.4倍
    ※リード獲得フォームコンプリート率
    LinkedIn広告のうちリード獲得を目的とし、作成できるリード獲得フォームの入力を完了した割合
  • エンゲージメント率 1.2倍
    ※エンゲージメント率
    投稿に対して行われる、コメント、リアクション、シェアなどユーザーの反応の割合
  • クリック率  1.3倍
    ※クリック率
    投稿が表示された回数のうちクリックされた回数の割合
出典 | LinkedIn

具体的施策|見込み客のフェーズ別に設計されたコンテンツプラン

富士電機では、オーディエンスにブランドを知ってもらう認知を目的としたコンテンツだけでなく→関心→検討までを後押しするようコンテンツプランを設計し、リード(見込み客)獲得フェーズでは、ペイド広告を活用しています。

コンテンツプランの設計では、ターゲットとなる情報を届ける相手(ペルソナ像)を明確にし、ペインやニーズをしっかりと掘り下げていきます。

更には、同じペルソナであってもプロダクトを認知する前と、検討しているフェーズでは求めている情報は異なります。つまり、ターゲットのフェーズが認知、関心、検討と異なれば、異なるコンテンツを準備する必要があり、富士電機ではこのフェーズ別のコンテンツを丁寧に設計、配信したことが成功要因の一つであったことが言えます。

認知層・関心層向けコンテンツ事例

ここからは、フェーズ別コンテンツを具体的にご紹介します。

認知層向け:自動販売機ビジネスの歴史
プロダクトを知らない層にとっても、親しみやすい内容のコンテンツ。ブランドの在り方を正しく知ってもらうための導入コンテンツ

関心層向け:プロダクト使用のベネフィット訴求コンテンツ
実際にターゲットオーディエンスが富士電機のプロダクトを使ってどのようにビジネスを拡大できるのかなどの、ターゲットのベネフィットに焦点を当てたコンテンツ

検討層向けLinkedIn広告活用事例

ターゲティング
自社で設定したターゲットオーディエンスのペルソナを基に、LinkedInの広告ターゲティング機能を使って、該当するオーディエンスにリーチを拡大した。

広告フォーマット
複数のクリエイティブをローテーションで使用し、リード獲得フォームからホワイトペーパーのダウンロードを促し、自然なリード情報の獲得フローを醸成した。

リターゲティング
過去に広告に接触したことのあるユーザーに向け、関心のありそうなコンテンツを提供し、コンバージョンにつなげた。

質の高いリードでリードタイムを短縮化することに成功

富士電機株式会社 プロダクトプロモーション 橋口 麻里香氏は、LinkedInのキャンペーンによって質の高いリードが高かったことを高く評価しています。LinkedInでは、会社規模や産業、部署や職種といった正確で細かいターゲティングが可能であるため、適切な意思決定者へ戦略的にアプローチし、リードタイムを短縮化することに成功したと述べています。

→ 全文はこちら

LinkedInではオーガニックとペイドの両輪が効果を最大化させる

LInkedInでは、オーガニック投稿とペイド投稿の融合が推奨されています。グローバルプラットフォームのデータによれば、ペイド投稿のみに接触したフォロワーと比較して、オーガニック投稿とペイド投稿の両方に接触したフォロワーは61%も高いコンバージョンを記録しました。

オーガニック投稿は、無作為に情報にリーチした人々の中から、ブランドのファンになる可能性のあるニッチなファンの育成が可能です。

ペイド投稿は、特定のオーディエンスをターゲットとし近い将来顧客となる層にリーチしますが、ランダムに広い潜在顧客は除外されます。

富士電機では、オーガニックとペイドの融合により、それぞれの得意分野を活かしたLinkedInの活用で、ブランドアウェアネスの向上を実現しました。

出典 | LinkedIn

HDFC life の事例(インド民間生命保険会社)

HDFC Lifeはインド有数の民間生命保険会社として、LinkedInでのマーケティングを積極的に展開し進化し続けています。自社で運用する他のチャネルの平均と比較して、HDFC life では質の良いリードを175%も獲得しています。

パンデミック以前は、ブランディング部門と広告運用部門が社内で別々に活動しデータ分析と戦略実行を行っていましたが、現在は認知・興味関心層から、購買まで一貫した戦略を採用しています。認知段階のオーディエンスのエンゲージメントをリード獲得に向けた施策にも展開し、チーム横断でLinkedInマーケティングを行うという変革があったようです。

成果|ウェブサイト滞在時間が50%向上

LinkedInのレポートによると、HDFC life のLinkedInアカウントを経由してウェブサイトに訪問したオーディエンスは、他チャネルから経由したと比較して、ウェブサイト滞在時間が50%向上したとあります。LinkedInアカウント上で、潜在顧客層・興味関心層へリーチし、オーディエンスに「HDFC lifeのサービスについてより具体的に知りたい」という欲求を生み出すことに成功し、LinkedInからウェブサイトへ遷移しウェブサイトでしっかり情報収集する層を獲得することに成功しました。

具体的な施策|分析データを活用した戦略的な広告運用

LinkedIn上で投稿コンテンツを通して、ブランドメッセージと行動喚起を促すデマンドメッセージの両方に接したオーディエンスは、コンバージョンする可能性が6倍高いことが調査で判明しています。

HDFC Lifeの広告運用部門はこのことを念頭に置き、ブランドメッセージを基盤とし、認知層から購買層、それぞれに向けたコンテンツと施策を設計しました。以下が施策の一部です。

※ブランドメッセージ
企業や製品、サービスの認知度や嗜好性を高めるための長期的な取り組みを伝えるメッセージ

※デマンドメッセージ
オーディエンスにすぐに行動を起こしてもらう(例えば、オファーをクリックする、ニュースレターに登録する、フォームに登録する)ためのメッセージ

  • リターゲティング広告で見込み客を後押し
    認知・関心層向けに配信していたコンテンツにエンゲージしたセグメントをリターゲティング
  • オーディエンスを追跡できるタグ設置で、ターゲット属性を分析
    インサイトタグを設置し、訪問者の行動や属性に関するインサイトを明らかにし、ウェブサイトへ戦略的に誘導

※インサイトタグ
LinkedIn Insightタグは、詳しいキャンペーンレポートを有効にしたり、ウェブサイトの訪問者に関する情報にアクセスするために、ウェブサイトに追加できる軽量のJavaScriptコード

  • ウェブサイトデータを活用し、精度の高いターゲティング
    ウェブサイトの人口統計を参考に、ターゲットオーディエンスを設定し、類似した特徴とプロフィールを持つ新しいオーディエンスをターゲティング。

社内メンバーの声|ペイド広告を認知・検討・購買層へ

HDFC Life、Eコマース&デジタルマーケティング担当エグゼクティブ・バイスプレジデント Vishal Subharwal(ビシャール・スバーワル)氏は、「LinkedInユーザーの質は高いです。ペイド広告を活用した投稿を全面的に行った上で、オーガニック投稿も継続しました。このアプローチにより、獲得できるリードの質は格段に向上し、購買につながるチャンスが増えています。」と語ります。

リードナーチャリング(見込み顧客の育成)においては、ブランドを認知した段階から、購買まで、一貫したストーリーをブランド側が提供する必要があります。どのフェーズにも変わらないブランドイメージとメッセージを届けることで、オーディエンスはブランドへの信用度や信頼度を高めていきます。

HDFC life の事例では、分断していたブランド部門と広告部門の仕組みが統合したことで、LinkedInブランディング・マーケティングでターゲットオーディエンスに適切なメッセージが届けられるようになりました。

目的に合わせたターゲティングを精緻に行うことができるのも、LinkedInの特徴の一つです。認知したばかりのターゲットと、検討フェーズに入っている顧客を見極め、適切な情報を発信することが重要です。

サマリー

ここでご紹介した2社はいずれも顧客視点にたち、見込み客のインサイトを分析し、カスタマージャーニーマップを網羅するコンテンツプランやLinkedIn広告の目的別、ターゲティング機能の戦略的活用を実施しています。

オーガニック投稿とペイド広告の両輪によって、ブランドの強みや特徴をしっかり伝え、プロダクトを理解してもらうことで、広告のコンバージョン率を高めている点も共通しています。

他のSNSと比べて意思決定層の多く存在しており、アクティブに使用しているLinkedInだからこそ、リードの質の高さが評価されており、ビジネス特化型SNSとしてB2B企業様には是非うまくご活用いただきたいです。

STORYTELLINGでは、LinkedInの戦略的運用を支援するパッケージをご用意しています。ご興味のある方は、marinaアットstorytelling-jp.comまでお気軽にご連絡ください。

2019年、獨協大学経済学部卒業。在学中、チュラロンコン大学に一年間留学しタイ語を習得。タイの動画制作会社と農業ベンチャーでインターンシップを経て、株式会社日本農業に入社。海外営業部に所属し、駐在中は事務所の立ち上げ、営業・マーケティングを担当。2022年1月からインドに移住し、同年6月にSTORYTELLING LLPにGMとして入社。日本語、タイ語、英語話者。

 

2019年に設立されたStorytelling LLPは、インドグルガオンを本社に置く日系企業です。企業様のビジネスにおける強みを理解し、それぞれのユニークなストーリーを世に送り出すことをミッションとしています。現地における市場調査をもとに、カスタマイズされたデジタルブランディング、デジタルマーケティング戦略を通じて、企業の持続的な成長を支援します。
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