HomeTrendsインドの主要ECサイト 6選|2023年版

インドの主要ECサイト 6選|2023年版

インドにおけるEC市場は、年間平均成長率13.9% で急成長しています(2023年時点)。

背景には、インターネットの普及、スマートフォン保有者の増加、中間所得者層の成長、物流やインフラの発展が挙げられますが、他国同様に、パンデミック中のロックダウンや外出控えによってこの成長が加速しました。

ECの成長によって、競争力のある価格や割引を提供する商品が増え、従来は高額で手が届かなかった商品も、徐々に消費者が購入しやすい価格帯となっています。 インドでは、自社でサプライチェーン・マネジメント、快適なユーザー体験を創出するには大きな時間・人的を含む投資が必要であるため、主要ECを活用し、短期的に売上を上げる戦略を選ぶブランドが多くあります。

ここでは、インドにおける主要ECを6つご紹介します。

Amazon - 多様な商品展開

インド EC Amazon India

オンライン小売業者であるAmazonは、2012年2月からインドで初のショッピングサイトを開始しました。Amazonがインドに上陸する前に、Amazon本社出身のインド人が立ち上げられた価格比較サイトJungleeは、1996年に創業され、その2年後にはAmazonが買収。

Amazonがインドに上陸してからは、親会社のサービスとのカニバリゼーションによりサービスに幕を降ろしています。 サービスローンチ当時はまだなかったオンライン上での購買活動を実現し、インド全土のあらゆる規模の小売業者にとって信頼できる有意義な販売チャネルを整えることを目標としてきましたが、ここ5年間のAmazonの出店ブランド数の増加を見ると、Amazonのインド市場への貢献度は大きく、小売ビジネスの拡大に貢献しています。

特徴

  • 小売業者が自分でAmazonに出品
  • プラットフォーム上にプロモーション用ブランドページを持つことも可能 

商品カテゴリ

商品カテゴリは多岐に渡り、老若男女が利用できる商品展開。

電化製品から衣食住商品まで網羅しています。ハイエンドや嗜好品(酒・タバコ)を除き、「なんでもある」というブランドポジションを確立しています。

Mobile / Computer TV / Applicances / Electronics Mems fashion Womans fashion Home / Kitchen / Pets Beauty / Helath / Grocery Sports / Fitness / Bags / Luggage Toys / Baby products / Kids’ Fashion Car / Motorbike / Industrial Books Movies / Music and Video games Echo and Alexa Fire TV Kindle E readers and ebooks Audible audiobooks Amazon Prime Video Amazon Prime Music

出店者へのプロモーション

  • ブラックフライデーなどグローバルのセールもフォロー
  • インドの祝祭日に合わせたプロモーションを展開(例:ホーリー、ディワリ)

有料サービス|Amazon A+

 Amazon A+の利用には、1つのASIN(Amazon Standard Identification Number)あたり、費用がかかります。ただし、Amazonベンダーセントラルに登録しているブランドは、Amazon Vendor Centralの一部として、A+コンテンツを作成するためのツールを利用できる場合があります。

ベンダーセントラルへの登録には、Amazonからの招待が必要です。 Amazon A+は、Amazonで販売される商品の詳細ページに表示される、高品質の詳細な商品情報を提供するサービスです。

製品の特長や機能、詳細な製品説明、製品に関する追加の画像や動画、技術仕様、比較表、ブランド情報などの豊富なコンテンツを提供することができます。 これにより、顧客はより詳細な製品情報を提供され、購買意欲、ブランドの知名度、商品の信頼性を高めるために役立ちます。

Flipkart|インド版Amazon

インド EC Flipkart

Flipkartは、2007年に設立されたインドのEC企業。創業以来、FlipkartはAmazonのように多種多様な商品をオンラインで販売し、2018年5月、アメリカの小売大手ウォルマートによって160億ドルで買収されています。

設立当初は書籍の販売に注力していましたが、将来的に拡大する可能性のある幅広い製品カテゴリーに対応できるような社名にしたいと考え「物をひっくり返してショッピングカートにする」という意味でフリップカートと名付けていました。その思いは実現し、現在では電子機器、ファッション、家庭用品、食料品、ライフスタイル製品などのカテゴリーをカタログで網羅しています。インドにおいて10億人以上がFlipkartを利用し、インドを代表するECとなりました。

特徴

  • B2Cビジネスモデル(Business to Consumerモデル)で事業を展開
  • 80以上のカテゴリーを持ち、インド全土から100万人以上のセラーが参加
  • 商品展開はAmazon同様老若男女が利用するもの
  • 旅行チケットやモビリティの販売でAmazonと差別化
  • Flipkartで展開している電子書籍読者の75%は16歳から55歳

商品カテゴリ

ホームのカテゴリを開くとわかるように幅広いカテゴリーを取り扱っています。

インド EC Flipkart-商品カテゴリ

出店者へのプロモーション

インドの祝祭日に合わせたプロモーションを展開(例:ホーリー、ディワリ)

有料サービス|Flipkart Plus

Flipkart Plusは、無料で利用できます。送料無料や優先配送などのサービスのほか、毎回の購入で付与されるポイントを集めて割引を得られる特典もあります。

また、ポイント付与以外にも、Flipkartのパートナー企業であるBookMyShow、Zomato、MakeMyTrip、Gaanaなどのオファーも受け取ることができます。

Nykaa|美容・ファッション特化型EC

インド EC Nykka

2012年創業の化粧品・パーソナルケア市場のリーディングカンパニー。インドのパーソナルケア市場は2022年に245億3,000万ドルと評価され、現在年間平均成長率6.32% (2023年時点)しています。

オンラインプラットフォームだけでなく、オフライン店舗でもサービス提供しており、幅広いファッション・ウェルネス・パーソナルケア製品のラインナップを展開しています。

Nykaaのミッションは、「キュレーション」「インフォメーション」「パーソナライゼーション」。男女を問わず、インド人が自分に合ったファッションやライフスタイルを選択するきっかけを与えることを目指しています。オンラインで情報収集をする市場潮流に合わせ、店頭でのコミュニケーションではなく、オンラインでは、商品レビュー・美容ハウツービデオ・専門家による記事・ビューティマガジンなどバラエティに富んだコンテンツを配信しています。

特徴

  • D2Cの消費財ECブランドで、在庫ベースのビジネスモデル
  • メーカーから直接商品を購入し、ニューデリー、ムンバイ、バンガロールにある指定倉庫で保管
  • Nykaaのウェブサイトまたは3つのオフライン店舗で販売されている:Nykaa Luxe、Nykaa On Trend、Nykaa Kiosk

商品カテゴリ

インド EC Nykaa 商品カテゴリ

出店者へのプロモーション

  • インドの祝祭日に合わせたプロモーションを展開(例:ホーリー、ディワリ)
  • Nykaaのターゲット層は、22歳から35歳が多く存在するため、インドのイベントだけでなく、グローバルイベントであるバレンタイン、クリスマスなどのキャンペーンを強化

有料プラン|Nykaa Prive

  • Nykaa Priveは、Nykaaが提供するロイヤルティプログラムです。
  • すべての注文に無料配送:Nykaa Priveのメンバーは、注文の金額に関係なくすべての注文が無料配送
  • セールへの早期アクセス:Nykaa Priveのメンバーは、一般の人々が利用可能になる前に、すべてのセールと特別プロモーションに早期アクセス可能
  • 特別割引:Nykaa Priveのメンバーのみが対象の特別割引あり
  • 優先カスタマーサービス:Nykaa Priveのメンバーは、優先的なカスタマーサービスを受けられる
  • 誕生日特典:Nykaa Priveのメンバーは、誕生日に特別な特典あり

Storytelling LLP 創業者兼CEO。国際的なローカライゼーションの分野で13年以上、デジタルコミュニケーションの分野10年以上の経験を積み、日本ブランドと海外市場をつなぐことに従事。インド・中東チームの多国籍チームとともに、日系企業の海外進出を支援する。