Homeインドの主要クイックコマース5選 | 2023年版Trendインドの主要クイックコマース5選 | 2023年版

インドの主要クイックコマース5選 | 2023年版

インドでもAmazonをはじめとするEコマースが商品属性や消費者属性に合わせて多様化していることを「インドの主要ECサイト 6選」でご紹介させていただきました。

一方で、近年急速に成長を遂げているのが、クイックコマース”と呼ばれる即時配達型のEコマースです。これは、オンラインで注文してからわずか10〜30分程度で商品が手元に届くという、都市部を中心に発展している新たな流通モデルです。

本記事では、

  • クイックコマースが台頭した背景

  • インドにおける主要なクイックコマースブランド5社の特徴

について、わかりやすく解説していきます。

クイックコマース興隆の背景

クイックコマースがインドで発展した背景には、パンデミックによるダイナミックな市場の変化や購買者の意識変容などさまざまな理由があります。

  1. 都市化と時間節約
    インドでは近年、急速な都市化が進んでおり消費者の日用品の買い物時間も短縮しています。クイックコマースプラットフォームは、幅広い製品をオンラインで注文して迅速に配送することで解決策を提供し、消費者の時間と労力を節約しています。

  2. コンビニエンスストアが存在しない
    インドには日本のようにコンビニエンスストアが徒歩圏内に存在していません。コンビニやスーパーへのアクセスが難しいという現状があります。

  3. 買いに行くより届けてもらう文化
    日本と比べてインフラが整っていないインドでは、近場の外出も容易ではありません。エステを自宅に招き入れるサービス(Urban Company)が発展したように、人を自宅に招くことに抵抗のないインドならではのオープンな文化は、届けてもらえるクイックコマース成長の追い風にもなりました。

  4. インターネットとスマートフォンの普及
    インドではインターネットの普及(総人口の48.7%が利用)とスマートフォンの利用(総人口の70.9%)が著しく増加しています。気軽にモバイルから買い物ができる環境が整い、クイックコマースの浸透を促進しました。

  5. パンデミック
    COVID-19パンデミックは、インドでのクイックコマースの利用者を拡大、加速させました。ロックダウン中、物理店舗は制約に直面し、Eコマースへの出店を余儀なくされました。また、消費者は日常必需品の購入をオンラインプラットフォームに頼るようになりました。

  6. 競争市場とイノベーション
    インドのEC市場の成長は著しく、さまざまなプレーヤーが市場シェアを競っています。自社のサービスやプラットフォームを差別化し、変化する消費者の需要に応えるため、多くの電子商取引プラットフォームがクイックコマースを含むサービスを拡大しました。

  7. ロジスティクスと配送インフラの改善
    インドでは数年間でロジスティクスと配送インフラが大幅に改善されました。小型倉庫の普及、効率的なラストワンマイル配送ネットワーク、地元のベンダーとの戦略的な提携が実現し、迅速かつ信頼性のある配送サービスを提供することが可能になり、クイックコマースの成長を後押ししました。

  8. 変化する消費者行動
    インドの消費者はオンラインショッピングをますます受け入れ、新しい技術やサービスに対してもより開放的になっています。クイックコマースの利便性、スピード、信頼性は変化する消費者行動に共鳴し、その普及に寄与しました。インドにおけるクイックコマースの年間平均成長率は49.52%と急速で、高まり続けるインドの人々の期待値に答えるべくサービス、主にアプリケーションの改良とロジスティックにおける改良によってよりよい体験を実現しています。

それでは、台頭するインドの主要クイックコマース5社をご紹介します。

インド クイックコマース Blinkit
https://blinkit.com/

以前はGrofersと呼ばれていましたが、現在は10~20分で消費財を届けるというビジョンのもと、Blinkitとしてリブランディングされています。インド大手フードデリバリーサービスZomatoの子会社としてもよく知られています。

現在、14都市で展開しており、アーメダバード、アグラ、コルカタ、ジャイプール、チャンディーガル、チェンナイ、デリーNCR、ハイデラバード、プネ、ベンガルール、ムンバイ、モハリ、と、都心部を中心にサービスが拡大中です。

Blinkitは毎週100万人以上のユーザーを獲得しており、そのうち50%がリピート購入をしています。250の小規模倉庫とローカル個人商店に在庫を保管し、数十分単位のクイックな配送を可能にしました。

価格レンジ

6 Rs ~ およそ3,000 Rs

商品カテゴリ

https://blinkit.com/

出品ブランドへのプロモーション

  • ブラックフライデーなどグローバルのセールもフォロー
  • インドの祝祭日に合わせたプロモーションを展開(例:ホーリー、ディワリ)

有料サービス

有料サービスはないが、一定金額以上で配送料無料の特典あり
インド クイックコマース Swiggy Instamart

Swiggy Instamartは、18都市を中心に45分以内に食料品を顧客に届けるクイックコマースのビジネスモデルで2020年8月にスタートしました。毎週100万件の注文を処理しています。

対象となる都市は、チェンナイ、デリーNCR、ハイデラバード、バンガロール、プネ、ムンバイと都市部を中心にサービスを展開しています。

SwiggyInstamart では日用品の高速配送に特化したサービスを提供しているが、そのほかにもレストランの出前サービス(Swiggy)や、荷物の配送や受け取り、買い物代行サービス(Swiggy Genie)を全社的に手がけているのも特徴的です。

チャット・コールサポート、位置情報の自動検出、ライブ注文追跡、クーポン機能で、高い顧客満足度が評価されています。

価格レンジ

10 Rs ~ およそ3,000 Rs

商品カテゴリ

https://www.swiggy.com/instamart

出品ブランドへのプロモーション

  • ブランドページの設置
  • インドの暦に合わせたプロモーションを展開

有料サービス

Swiggy One Lite

  • 無料配達:Swiggy Oneメンバーは、注文金額や距離に関係なく、プラットフォームを通じて行われたすべての注文で無料の配達を利用することができます。
  • ピークタイムの追加料金(サージ料金)不要:メンバーはサージ料金の対象外となります。サージ料金は需要のピークや混雑時に追加料金が発生するものです。Swiggy Oneでは、一貫した価格設定でサージ料金はかかりません。
  • 特別オファー:定期購読者は、選択されたレストランや食品アイテムに対して割引、プロモーション、およびディールにアクセスすることができる場合があります。
  • 優先配達:Swiggy Oneメンバーは、優先配達を受けることができます。つまり、非メンバーよりも優先的に注文が処理され、より早く配達されます。
  • 最低注文金額不要:通常Swiggyでは最低注文金額の要件がありますが、Swiggy Oneメンバーは最低注文金額に関係なく配達を受けることができます。
インド クイックコマース Zepto

Zeptoは2021年4月にサービスを開始したクイックコマースサービスです。食料品、パーソナルケア製品、家庭用品、ベビーケア製品などを10分以内に配送します。平均配達時間はおよそ8分40秒と言われており、インドの消費者から高く評価されています。

サービス展開都市はチェンナイ、デリーNCR、ハイデラバード、バンガロール、プネ、ムンバイと、大都市を中心に活動しています。

10分以内の配送を実現するために、100ヶ所の小型倉庫を管理しており、1日およそ2,500件の注文に対応しています。大都市特有の渋滞による配送時間の不確実性にも対応できるアセットが整っています。

価格レンジ

10 Rs ~ およそ4,000 Rs

商品カテゴリ

https://www.zeptonow.com/

出品ブランドへのプロモーション

  • ブランドページの設置
  • インドの暦に合わせたプロモーションを展開

有料サービス

特になし

【サービス終了】Dunzo Daily - いつも使うスーパーを身近に

インドのクイックコマース企業であるDunzo Dailyは、食料品、医薬品、ペット用品、ヘルスケア用品、ギフト、そのほか荷物の運搬代行などを、35〜40分以内に配達しています。

グルガオン、チェンナイ、デリーNCR、ハイデラバード、バンガロール、プネー、ムンバイと、都市部を中心にサービスを展開しています。

人工知能を活用し、効果的な需要予測、在庫決定、サプライチェーン業務の円滑化を実現しています。

GPSによるリアルタイムの位置情報追跡機能による、配達員の追跡や、キャッシュレス決済など、クイックコマースに求められている機能を完備し、2020年から21年にかけて40倍の成長を遂げました。

価格レンジ

10 Rs ~ およそ3,000 Rs

出品ブランドへのプロモーション

  • ブランドページの設置
  • インドの暦に合わせたプロモーションを展開

有料サービス

Dunzo Daily

  • 無料配送:Dunzo Dailyの加入者は、Dunzoプラットフォームを通じて行われるすべての注文で無料の配送を利用することができます。
  • ピークタイムの追加料金(サージ料金)不要:メンバーはサージ料金の対象外となります。つまり、需要のピークや混雑時に追加料金を支払う必要がありません。
  • 特別オファー:Dunzo Dailyの加入者は、Dunzoプラットフォームで利用可能な特定の商品やサービスに対して、独占的なオファーや割引、プロモーションを受けることができる場合があります。
  • 優先配送:メンバーは、注文処理と配送に優先されるため、非加入者よりもより迅速なサービスを受けることができます。
インド クイックコマース BigBascket
https://www.bigbasket.com/

https://www.bigbasket.com/他のクイックコマース新興企業と同様に、Bigbasketも小型倉庫を管理し即時配送を実現しています。

対象都市はインドール、ヴィシャーカパトナム、ジャイプール、スラット、チャンディーガル、チェンナイ、デリーNCR、ハイデラバード、パトナ、バンガロール、プネ、ムンバイなど40以上の都市です。

在庫の調達には、各都市にある倉庫やサードパーティーのローカル商店を利用しています。比較的その土地の新鮮な商品を取り扱うことができるため、食料品のクイックコマースプラットフォームとして高く評価されています。

価格レンジ

10 Rs ~ およそ1,000 Rs

商品カテゴリ

https://www.bigbasket.com/

出品ブランドへのプロモーション

  • ブランドページの設置
  • インドの暦に合わせたプロモーションを展開

有料サービス

bbstar

  • 無料配送:bbstarの加入者は、特定の最低注文金額を超える注文に対して無料の配送を利用することができます。
  • 優先配送:bbstarメンバーは、需要のピーク時や高需要期間中でも特定の配送枠に優先的にアクセスできるため、便利な配達時間を確保することができます。
  • 特別オファー:加入者は特定の商品やカテゴリーに対して、独占的なディール、割引、プロモーションにアクセスすることができます。
  • リワードポイント:メンバーは購入時にリワードポイントを獲得し、次回以降の注文で割引や無料商品と交換することができます。
  • エクスプレス配送:bbstarの加入者は、非加入者よりも迅速な注文処理と配送を行うエクスプレス配送オプションにアクセスできる場合があります。

サマリー

インド都市部に住む消費者のライフスタイルに合わせて急成長する、インドのクイックコマース。ユーザーの声を積極的に取り入れ、サービスの改良が頻繁に起こる前向きなサイクルこそ、インドが世界的に注目される経済都市となった所以とも言えるのではないでしょうか。類似サービスが開発される一方で各社のUSPは異なり、戦略的にポジショニングしていることがわかります。ブランド側も気軽にテストマーケティングが行える場所として、クイックコマースを選択しており、ユーザーとブランドの双方に好循環が生まれています。

インド都市部特有の浸透速度は、今後どのようにインド全土に展開されていくのでしょうか。

参考記事
Top 5 Quick Commerce Brands In India

著者

Storytelling LLP 創業者兼CEO。国際的なローカライゼーションの分野で13年以上、デジタルコミュニケーションの分野10年以上の経験を積み、日本ブランドと海外市場をつなぐことに従事。インド・中東チームの多国籍チームとともに、日系企業の海外進出を支援する。