パンデミックによりデジタルトランスフォーメーションが10年早まったインドでは、広告市場のトレンドも大きく変化し始めています。
ここでは、インドにおけるオンラインとオフラインの広告トレンドの変化、オンライン広告の変化を具体的にご紹介いたします。
広告配信によるマーケティング活動の収益は右肩上がり
インドでは、マーケティング活動の一つである広告戦略、広告配信によって得られる収益は年々増加しています。
パンデミックで一時的に伸び悩んだ企業も多いものの、2021年にはパンデミック前の水準まで回復し、広告セクターの総収益は7,460億ルピーにのぼりました。2024年には、1兆ルピーを超える収益が予測されています。
テレビ広告 VS デジタル広告
パンデミックを迎えた2019年時点、テレビ広告は3,000億ルピー以上の売上を上げていたものの、パンデミックによって、デジタル広告の成長速度は加速してました。
2024年度には、デジタル広告収益が5,300億ルピーを超えると推定されており、デジタル広告は今後、インドの主要な広告媒体となることが予想されます。
ここからは、テレビ広告市場とデジタル広告市場について詳しく解説していきます。
インドのテレビ広告市場動向
インドのテレビ広告市場は、近年のテレビ全体の視聴率の低下から伸び悩みに直面しています。Broadcasters Audience Research Council (BARC) Indiaのデータによれば、インド全土のテレビチャンネルのリーチ割合は2018年の94%をピークに、2022年には82%に低下しています。
また、インドの人口の65％近くが35歳以下であり、そのうちの70％がデジタルネイティブである30歳以下の視聴者であることからも、テレビ視聴者数の減少は自然な流れであるとも考えられます。
- 成長率：6.3%
- 市場規模（2022年~2026年）：35,270 クロール ルピー （約6,370億円）規模から43,568 クロールルピー （約7,870億円）規模に成長
インドのデジタル広告市場動向
インドのデジタル広告市場は、モバイルとインターネット環境の普及が追い風となり、着実な成長曲線を描いています。配信先も、数々のソーシャルメディアや検索エンジンなどと選択肢が多く、伝統的な広告に比べて、企業がターゲットとする人々に情報を届けやすくなってきました。
- 成長率：12%
- 市場規模（2022年~2026年）：19,120 クロール ルピー （約3,450億円）規模から28,235 クロールルピー （約5,100億円）規模に成長
2021年のインドにおけるデジタル広告費のうち、最も大きな割合を占めたのはソーシャルメディア広告で、そのシェアは29%を記録しています。
これに僅差で続くのがオンラインビデオ広告で28%でした。
また、インドではソーシャルメディア市場が活況を迎えており、B2Bビジネス・B2Cビジネスのデジタルマーケティングでは必要不可欠な広告媒体となっています。
トレンド｜B2B特化型のソーシャルメディアにおけるデジタル広告
インドでは、転職活動やビジネス情報収集のためにソーシャルメディア LinkedInが利用されています。
インド人ユーザー数はアメリカに次いで第二位の7,000万人以上で、その数は日本の33倍に相当します。 広告費という切り口から分析しても、インドでは日本でかかる広告費の約2割に留まり、低コストで多数にリーチできる費用対効果の高いプラットフォームと言えます。
*CPM(Cost per Mile)
インプレッション単価, インプレッション単価は、WEB広告が1,000回表示されるごとに発生する料金
*CPC(Cost per click)
1クリックあたりのコスト
STORYTELLINGでは、インド進出前・進出後の企業様向けに、B2BビジネスにおけるLinkedIn広告を活用したテストマーケティングパッケージもご提案しています。
サマリ
インドで勢いよく成長するB2B企業の多くが、デジタル広告を活用し、ブランドの認知度向上、リード獲得のためのデジタルブランディング、マーケティング戦略に注力しています。
インドの広告トレンドを理解した上で、適切なプラットフォームを選択し、アクティブに運用することが必要です。
また、インド現地のターゲットのインサイトや目的別チャネルを理解した上で、カスタマージャーニーマップを設計し、的確なソーシャルメディアを活用したデジタルマーケティングで、着実に売上につなげていくことが可能です。
STORYTELLINGでは、インド進出前・進出後の企業様向けに、B2BビジネスにおけるLinkedIn広告を活用したテストマーケティングパッケージもご提案しています。
Marina Ogino
2019年、獨協大学経済学部卒業。在学中、チュラロンコン大学に一年間留学しタイ語を習得。タイの動画制作会社と農業ベンチャーでインターンシップを経て、株式会社日本農業に入社。海外営業部に所属し、駐在中は事務所の立ち上げ、営業・マーケティングを担当。2022年1月からインドに移住し、同年6月にSTORYTELLING LLPにGMとして入社。日本語、タイ語、英語話者。
言語、国、文化、リアルとデジタルに起きている障壁を、調和・融合へ変化させるための、特性理解（リサーチ）を得意とする。日本とインドに留まらず、個がもつそれぞれの価値を繋ぎ、よりよいバリューチェーンの創造を目指す。
2019年に設立されたStorytelling LLPは、インドグルガオンを本社に置く日系企業です。企業様のビジネスにおける強みを理解し、それぞれのユニークなストーリーを世に送り出すことをミッションとしています。現地における市場調査をもとに、カスタマイズされたデジタルブランディング、デジタルマーケティング戦略を通じて、企業の持続的な成長を支援します。
