Home2025年トレンド総括|インド、デジタルマーケはどう変化・進化したのかTrend2025年トレンド総括|インド、デジタルマーケはどう変化・進化したのか

2025年トレンド総括|インド、デジタルマーケはどう変化・進化したのか

2025年、年末を迎えるにあたり、本年インド市場におけるデジタルマーケティング環境の変化について、Storytellingが現地での活動を通じて感じてきたことを、公開されている市場データとあわせて共有いたします。

1.トラディショナルマーケティングとデジタルマーケティング

インド市場におけるデジタル広告成長率

インド全体の媒体費構成(概算)は以下の通りです。

  • トラディショナル:50〜45%
  • デジタル:45〜50%

TVや屋外広告などのトラディショナルマーケティングは、引き続き社会的な認知や安心感、信頼感を形成する役割を担っています。

一方で、情報収集、比較、検討、購買といった行動の多くはデジタル上で行われるようになっています。

現場で感じるのは、ユーザーが「認知 → 興味 → 検討 → 購買 → 再評価」というプロセスの中で、テレビCM、屋外広告、SNS、マーケットプレイスなど複数のチャネルを自然に行き来しながら、少しずつブランドへの信頼を深めていくという点です。

また2025年は、クイックコマース(例:Blinkit)の成長により、認知や発見の起点が店頭ではなく、アプリ上の検索やレコメンドから始まるケースも増えました。

トラディショナルとデジタルは、どちらかを選ぶものではなく、互いに信頼を補い合う関係として設計していくことが重要だと感じています。

2.デジタル広告とAI活用の進化

インドのデジタル広告市場は、前年比15〜18%の成長を継続しています。

AIによる最適化が進んだことで、複数の広告フォーマットやプラットフォームを同時に運用すること自体は、以前よりも現実的になりました。

その一方で、成果の差は「どれだけ巧みに運用するか」よりも、

  • どのような目的で
  • どのようなコンテンツを用い
  • キャンペーン全体としてどのような一貫性や物語を描いているか

といった上流の設計部分で生まれているように感じます。

AIは実行を助けてくれますが、広告を通じてどのようなストーリーを届けるかの設計は、依然として人の役割です。

3.インフルエンサーマーケティングの定着とB2Bへの広がり

インド市場におけるデジタル広告成長率
インフルエンサーマーケティング(グローバル)は、デジタル予算の15〜20%を占めるまでに定着しました。

ブランド自身の言葉よりも、信頼する誰かが語るストーリーをユーザーが信じる傾向は、年々強まっています。

インドではB2Cに限らず、B2B分野でもインフルエンサー活用が広がっています。

世界第2位のユーザー数を誇るLinkedInでは、業界内で信頼を集める専門家、経営者、実務家が、ブランドの考え方や価値観を自然な形で伝える存在として影響力を持つようになりました。

影響力はフォロワー数ではなく、専門性・実績・継続的な発信の積み重ねから生まれるものだと感じています。

4.ソーシャルメディアの進化と戦略的位置づけ

2025年、インドにおけるソーシャルメディアは、単なるマーケティング施策を超え、ブランド構築や人材採用(HR)までを横断する企業活動の基盤へと進化しました。

  • Instagram利用者数:約3.6億人
  • 全SNS利用者数:約5億人超
  • 月間平均利用プラットフォーム数:7.6
  • 平均利用時間:約2時間30分

ソーシャル × Google検索(SEO)

ソーシャル投稿そのものがGoogle検索結果に表示されるようになり、SEOはWebサイト単体ではなく、ソーシャルを含めた「見つけてもらう設計」へと拡張しています。

B2B・PR・HR領域へ

B2B分野では、企業の思想やソートリーダーシップを伝えるPRの場としてソーシャルが活用され、HRにおいてもLinkedInが採用活動の起点となっています。

ソーシャルメディアは、部分施策ではなく全体戦略の起点として考えるべき存在になりました。

5.生成AI時代におけるSEOの進化

インド市場におけるデジタル広告成長率

ChatGPT、Google Gemini、Google AI Overviewsなどの普及により、SEO環境は大きく変化しています。

英語圏の調査では、AIによる直接回答表示により、従来のSEO経由クリック率(CTR)が最低でも約30%低下する可能性が示唆されています。

その結果、SEOは単なる流入獲得ではなく、

  • AIが参照・引用する情報とは何か
  • どのコンテンツが「回答の一部」として使われるか

を意識した、AEO(Answer Engine Optimization)を含む再設計が必要になっています。

おわりに

2025年、インドのデジタルマーケティングは、B2CやB2Bといった区分を超え、ブランドと人との関係性そのものを設計する「B2H(Business to Human)」の世界へと進んだように思います。

2026年は、「デジタルマーケティング」を超えたデジタルコミュニケーション設計が、より重要になるでしょう。

インド国内、グローバルデータおよび弊社におけるデータをもと記事を作成しております。

参照・引用元:

Media Mix / Digital vs Traditional

https://www.iamai.in/
https://www.groupm.com/forecast/

India Digital Advertising Growth

https://www.dentsu.com/in/en/insights
https://www.pwc.in/industries/entertainment-and-media.html

AI Adoption & Marketing Productivity

https://www.mckinsey.com/capabilities/quantumblack/our-insights
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/report/ai-adoption
https://www.accenture.com/in-en/insights
https://www.deloitte.com/global/en/our-thinking/insights/

Influencer Marketing (B2C / B2B)

https://www.ey.com/en_in/
https://kpmg.com/in/en/home/insights.html

Social Media Usage & Short-form Video

https://datareportal.com/reports/digital-2024-india
https://www.thinkwithgoogle.com/
https://investor.fb.com/investor-news/default.aspx

Storytelling / Human-Centric & Brand Trust

https://hbr.org/2014/10/why-your-brain-loves-good-storytelling
https://www.nielsen.com/insights
https://www.kantar.com/inspiration/brands/meaningful-brands

Quick Commerce / Digital Discovery

https://www.zomato.com/investor-relations
https://blinkit.com/

著者

Storytelling LLP 創業者兼CEO。国際的なローカライゼーションの分野で13年以上、デジタルコミュニケーションの分野10年以上の経験を積み、日本ブランドと海外市場をつなぐことに従事。インド・中東チームの多国籍チームとともに、日系企業の海外進出を支援する。