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デジタルマーケティングの一つの手法、Eメールマーケティングはインドでもその効果が評価されており、現代のトレンドやターゲットオーディエンスにフィットしたEメールのフォームやデザイン、構成やコンテンツに体裁に姿を変えながら、多くの企業が顧客接点創出の方法として取り入れています。
ここでは、Eメールマーケティングのグローバルのトレンドをご紹介した上で、インドにおけるEメールマーケティングのトレンド・効果、事例をご紹介していきます。
グローバルでもEメールマーケティングは右肩上がり、効果の高さが定評
マーケティングオートメーションシステムを提供するHubspotの調査では、Eメールマーケティングは1ドルに対し、36USDの投資効果が得られるという結果が報告されており、事実、B2Bマーケターの64%が自社のEメールマーケティング戦略がビジネス目標の達成に効果的だったと回答していています。
特に、新製品や機能の発表などのEメールのクリックスルー率が高く、エンゲージメントの獲得に繋がっています。
キャンペーンモニターの調査によれば、中小企業の64%が顧客獲得にEメールマーケティングを導入しており、興味・関心層にいる潜在顧客に向けた情報発信が活発に行われています。
グローバルでは、メールマーケティングによる収益は、2023年末におよそ110億円に達すると推定されており、その勢いは右肩上がりとなっており、ビジネスシーン、特にB2BにおけるEメールの活用は今でも重要な顧客タッチポイントの一つです。
インドのCMO 43%が、Eメールマーケティングはハイリターン投資であると回答
Statistaの調査によると、Eメールマーケティングで高い投資効果が得られると認識しているインド人CMOが43%存在していることが明らかになりました。
73%のインドのマーケティングエグゼクティブが、Eメールマーケティングをインハウスで運用していると報告しています。
インドのB2C、B2Bのマーケティングアクティビティでは、戦略的かつバラエティに富んだEメールマーケティングで、ターゲットオーディエンスを惹きつけています。
一方で、確実に効果を得るためには、ターゲットオーディエンスをよく観察・理解し、痒いところに手が届くようなコンテンツを提供する力が各社に求められています。
また、75%以上がモバイルを所有するインド市場では、モバイル画面に最適化したビジュアルのEメール配信が求められます。
半数以上がモバイルデバイスからメールの閲覧をしており、モバイルに対応したメールを配信すると、ユニーククリック率が15%増加するとも報告されています。
インドでは、ウェブサイトをはじめコンテンツをモバイルに最適化したモバイルの縦の世界においてビジビリティを上げることが大切です。
ターゲットオーディエンスと正しいブランドコミュニケーション構築するためにも、重要な接点の一つとなるEメールの体裁は、愛する人に届けるラブレター同様、相手を理解し、相手にとって有益で受け取って嬉しい情報になるよう、タイミング・コンテンツともに慎重に、そして心を込めて作るように弊社でも心がけています。
EメールマーケティングのROIが高い理由は?
Eメールマーケティングには次のような特徴があり、その効果の高さが評価されています。
- 紙媒体よりも低コストで気軽に始められる
- ターゲットのセグメントや購買フェーズに合わせてグループ別のパーソナライズコンテンツを配信することができる
- オーディエンスに合わせて、コンテンツや配信日時の最適化ができる
- Eメールマーケティングプラットフォームを活用することで、施策の効果検証が即時にできる
無料のEメールマーケティングプラットフォームも多く展開され、技術的な難易度が低く、かつ低コストに気軽に始められる戦略の一つであるため多くの企業が導入しており、ユーザーは毎日数えきれないほどのEメールを受信しています。
だからこそ、戦略的かつ計画的に情報を整理し作り込まなければ、目指した効果が得られない難しさもあります。
インドのB2C、B2B企業でも、魅力的なコンテンツにするために工夫をこらしたEメールを配信する企業が多く存在します。ここからは、インドのB2CとB2B企業が実際に配信しているマーケティングEメールの構成を分析し、今日から始められるEメールマーケティングの改善方法をご紹介します。
事例紹介|インドのEメールマーケティングトレンド、視覚で開封率向上
MakeMy Trip
MakeMy Tripは、インドで展開されている旅行予約サイトのひとつ。2000年に創業し、2010年にNASDAQ上場。2023年現在は、ニューヨーク、シンガポール、クアラルンプール、プーケット、バンコク、ドバイにも拠点を構えています。
MakeMy Trip のEメールは、アイキャッチ画像から旅行にいきたくなるような気持ちにさせられる、受け取り手をワクワクさせるビジュアル性の高いコンテンツです。テキストはほとんどなく、写真でオーディエンスの興味関心を煽り、さらなる情報収集はウェブサイトで行える構造になっています。
CTAボタンも多く配置しており、ウェブサイトへ遷移させることを意識した設計です。
YourStory
YourStoryは、2008年にブログからスタートした、インドの起業家の活動や声を届けるニュースポータルサイト。現在はテキストブログだけでなく、動画コンテンツやイベント開催などで起業家、投資家、政府を含む複数のステークホルダーを巻き込み、インドの急成長スタートアップマーケットに貢献しています。
YourStory のターゲットオーディエンスは、テキストから詳細な情報を読み取るビジネスマン層です。
ターゲットに合わせ、Eメールキャンペーンでも、ビジネスマンが押さえておきたくなるようなトレンドやホットトピックなどテキストで伝えています。
ブログ記事の掲載方法も、忙しいターゲットオーディエンスがEメールマガジンだけでもサマリーを理解できるよう、トピックキーワードと箇条書きでまとめ、読みやすいレイアウトで工夫をしている点が特徴です。
バナーを過度に使用せずテキストベースでウェブサイトへの流入を促しています。
HDFC bank
HDFC bank は、インド最大の民間銀行のひとつ。2022年時点で、インド全国に6,499の支店と3,226の市区町村に18,868のATMを展開しています。貸付やローン、クレジットカードなど一般的な金融機能を提供しています。
HDFC bank は、個人客向けには親しみやすい印象を与えるイラストによるEメールマーケティングを展開しています。
Eメールキャンペーンの送信頻度は高く、ほぼ毎日一回送信されています。テキストでのサービス紹介はEメール上ではほとんどされておらず、ターゲットオーディエンスにとってお得な情報がイラストや表で表記されており、CTAからは該当サービスについて詳しく説明されたウェブサイトへ遷移します。
Eメールは顧客タッチポイントであり、興味のあるオーディエンスはウェブサイトで情報収集をした上、直接の問い合わせを促す設計です。
サマリー
ターゲットやブランドやサービス・プロダクトのUSPによって、Eメールマーケティングの形もさまざまです。インドのB2C、B2B企業も、市場のトレンドに応じ工夫をこらしたマーケティングEメールを展開しています。
デジタルマーケティング施策もバラエティが豊かになる中で、Eメールマーケティングのビジュアルコミュニケーションも多様化しており、ROIが高い顧客接点の一つであることからインドでも重要な施策として各社が導入しています。
STORYTELLINGでは、EメールマーケティングのEメールマーケティングプラットフォームの導入、コンテンツ設計からコンテンツ制作、実装、データ分析までサポートしています。お気軽にご相談ください。
Marina Ogino
2019年、獨協大学経済学部卒業。在学中、チュラロンコン大学に一年間留学しタイ語を習得。タイの動画制作会社と農業ベンチャーでインターンシップを経て、株式会社日本農業に入社。海外営業部に所属し、駐在中は事務所の立ち上げ、営業・マーケティングを担当。2022年1月からインドに移住し、同年6月にSTORYTELLING LLPにGMとして入社。日本語、タイ語、英語話者。