Home2年でリード+400件・認知+220万──JTBインディアが本社×現法×エージェントで築いた営業DXCase Study2年でリード+400件・認知+220万──JTBインディアが本社×現法×エージェントで築いた営業DX

2年でリード+400件・認知+220万──JTBインディアが本社×現法×エージェントで築いた営業DX

東南アジアの壁を越えると、日本では認知度の高いブランドであっても認知度はほぼゼロに近づくという厳しい現実があります。これは、インド市場へ進出する日系企業の多くが直面する構造的な課題です。

現場での営業人材を強みとする海外子会社ほど、デジタルファースト層への接点設計やボトムアップの納得形成、展示会後のリード育成といった「目に見えない営業の谷間」が放置されがちで、その結果、競合と比較しても「営業の勝敗はいつも僅差」という形で現れるとJTBインディアの小林氏は語ります。

本ケーススタディでは、JTBアジアパシフィックグループの一員であるJTBインディアが、日本本社(JTB GBU)・現地法人・専門エージェントSTORYTELLINGの三者連携プロジェクトを通じて、インド市場でのMICE・SMM事業の営業DXに取り組んだ2年間の軌跡をご紹介します。

成果ハイライト

  • ウェブサイトおよびSNS経由のリード獲得数 +400件(2023年11月〜2025年10月/2年間)
  • デジタル接点経由の認知拡大 +220万(同期間/トラフィック・インプレッション合算)
  • 展示会経由のリード獲得 376件(2024年5月〜2025年11月)
  • 欧州最大級ブランドのグローバル案件のリード獲得・商談へ(展示会面談から約6ヶ月)
  • 社内アンケートで 8割 が「会社の評判が向上した」と回答(2025年11月実施)

JTBインディア様 会社概要

JTBインディアは、JTBアジアパシフィックグループの現地法人として、法人向けMICEおよびSMM(Strategic Meeting Management)を中核サービスに展開する企業です。JTBは35か国82都市・159拠点のグローバルネットワークを有し、年間10,000件以上のイベントマネジメント実績を世界規模で積み重ねています。インド市場参入から10年を経た2022年、JTBインディアは提供サービスをローカルマーケット向けのMICE・SMMへと再構築する転換期に差し掛かっていました。

ご依頼の経緯

JTBは日本国内および欧米で確固たるブランド地位を築いてきた一方、インド市場ではB2B文脈での認知が浸透しておらず、海外拠点の営業責任者の裁量だけでは打開しづらい課題が複数重なっていました。

  • 認知度ゼロからの営業活動
    JTBがグローバルでMICE・SMMといったB2B事業を展開していることは、インド市場ではほぼ知られていない状態でした。アポ取得自体が困難で、会社説明・事業概要をゼロイチで丁寧に行う必要があり、リードタイムが慢性的に長期化していました。
  • デジタルファースト層への対応不足
    顧客が紙媒体ではなくデジタル媒体を前提とするインド市場では、リアル面談と同様のアプローチがオンラインでは通用しません。認知・比較・検討段階の営業素材が手薄で、初回アポ獲得のハードル自体が上がっていました。
  • トップダウン×ボトムアップの両輪不足
    日本人トップやローカル営業担当によるトップ営業は機能していたものの、ボトムアップの実行チームが「協業したい」と思える材料が不足。価格・実行力・他国実績で納得を得ても、最終局面で僅差で負けるケースが多発していました。
  • 展示会の「やり切り」問題
    展示会出展で獲得した名刺がアセット化されず、その後の営業活動が属人化・不透明化。リアル接点が継続接点へ転換されにくい状態でした。

提供サービスと支援内容

これらの課題に対し、STORYTELLINGは「営業活動の仕組み化」「ブランド認知・比較検討の強化」「展示会の効果最大化」の3本柱を設計し、2023年11月よりJTB日本本社(GBU)・JTBインディア・STORYTELLINGの三者連携プロジェクトを開始しました。

1. 課題の言語化と座組設計

「ブランド認知が見えない巨大先行KPI」「マーケティングファネルが分断されている」「現在実施している展示会の効果が最大化されていない」という3つに絞りました。また、ここでも日本式のプロセスをそのまま移植せず、インド特有の商流とインドの営業チームを補完するような仕組みに設計しています。

2. 営業活動の仕組み化

顧客管理システムを導入し、SNS・広告・ウェブサイト・メールマガジンのデータポイントを統合。USP・ターゲット・営業ノウハウを明確化し、属人化していた営業活動の透明性を高め、限られた人的リソースで回る一気通貫の営業の仕組みを実装しました。

3. ブランド認知・比較検討の強化

ウェブサイト・SNS・メールマガジンの基礎プラットフォームを構築し、ローカル向けコンテンツとしてグラフィック100点以上、ブログ60本、動画25本、ホワイトペーパー10本を継続制作。SEO対策ではGoogle検索の上位獲得とAI検索サマリーへの複数ランクインを実現しました。米Trust Radius社調査では、約78%の企業が「知っている企業」をB2Bの比較・検討段階のリストに入れると回答しており、新規市場における認知拡大は営業の見えない巨大KPIです。

4. 展示会の効果最大化

従来の「やり切り」型展示会活動を、デジタル連動型へ転換。プレスリリースとLinkedIn広告による事前集客、当日のレポーティング、獲得した名刺のリスト化、Eメールマガジン・SNSによる継続接点創出までを一連のフローへ仕組み化し、商談機会を広げました。

した。

成果

1. リード獲得数 +400件・認知 +220万(2年間)

ウェブサイトおよびSNS経由でのリード獲得数が2年間で400件超、トラフィックとインプレッション合算は220万増。プロジェクト開始前の「認知ゼロ」状態から、デジタル経由で継続的にリードが流入する構造へ転換しました。

2. 展示会単独で376件のリード・グローバル案件を成約

2024年5月〜2025年11月の展示会経由リードは376件。欧州最大級のブランドのグローバル案件を、展示会面談から約6ヶ月で成約に導いた事例も生まれました。デスクトップリサーチ→展示会面談→Eメール継続→商談→成約という、リアル×デジタル連動の成功パターンが機能しはじめています。

3. 8割が「会社の評判が向上した」と回答

2025年11月実施の社内アンケートでは、回答者の8割が「会社の評判が向上した」と回答。プロジェクト開始時に課題視されていたボトムアップ層の納得度・誇り・モチベーションの面でも好影響が確認されました。

なぜJTBインディアの営業DXは成功したのか

本プロジェクトを伴走した弊社担当者見上すぐりは、成功要因を次のように振り返っています。

営業DXにおいて、ローカルチームと本社の目標は必ずしも同じではないのではないでしょうか。日本ではデータの可視化・透明性・営業効率化が当たり前に大切とされていますが、インドでは顧客リストは自身の価値(給与)を決める個人のアセットでもあります。

 

各国の商流、プロセス、文化背景を理解し、双方にとって意義のあるものとなるよう、本社様と海外子会社がコミュニケーションに奔走されていた姿が印象に残っています。

 

一方でデジタルは、仕組みやツールがグローバルに共通していることが多く、一度導入してしまえば営業のトップラインを上げる動力になることを、本プロジェクトを通して確信しました。

JTBインディアの営業DXが成果に繋がった背景には、4つの組み合わせが共通項としてあります。「本社・支社・エージェントの三者連携」「日本人とローカルメンバーの連携」「営業活動の仕組み化」「対面とデジタルの営業活動の掛け算」。このいずれもが、海外拠点の営業責任者ひとりに任せきりでは実現が難しい設計です。

インド市場をはじめとする新興国で「営業責任者任せでは解決できない悩み」に直面する日系企業にとって、本社が前に出て伴走するプロジェクトの設計図として、本事例が参考にしていただけるロールモデルとなれば幸いです。

▶︎ 本ケーススタディは、2025年11月27日に開催されたJTB×STORYTELLING共催ウェビナーの登壇内容をもとに構成しています。
同ウェビナーの録画および資料をご希望の方は、コンタクトフォームよりお申し込みください。